長い年月を経て地球の内部でつくられたダイヤモンドはまさに大地からのプレゼントです。その透明な輝きと強靭さは、宝石の中の宝石といっても過言ではありません。
地球でもっとも硬いダイヤモンドは、よほどのことがない限り傷ついたり、変色する事はありません。したがってその価値は何十年、何百年と時が流れても決して変ることはありません。そうした価値の普遍性と奇跡ともいえるこの宝石を身にまとう幸せ、結婚などの記念品として用いられる大きな理由がそこにあります。
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ダイヤの価格は厳密な鑑定結果によって決定されていきます。それは4Cとよばれる四つの評価基準にもとづきます。
カラットは、ダイヤモンドの重量を表します。
1カラットは0.2gで、通常「〇〇ct」と表記されます。
同じカラットでも見た目の大きさは若干変化します。
カラットはダイヤモンドを語るには最もわかりやすい基準でしょう。
昔、カラットという木の実を天秤の分銅代わり使ったことからこう呼ばれます。
婚約指輪には、0.2~0.5ct前後のラウンドブリリアンカットのダイヤモンドがよく使われます。
また、ダイヤはそのデザインや輝きによって見た目の大きさはずいぶん変化します。
やはりよく輝くダイヤがより大きく見えてしまいます。
ダイヤモンドを贈られるのは、女性にとって最大の喜びですが、単にカラットといっても、何となく大きさを表わすと皆さんは思われるでしょう。
でもちょっと待ってください。カラットはあくまで重さ、同じ0.35ctでも上下方向に厚いダイヤは直径が小さくなります。逆だと大きくなりますが、何となく透けた感じでダイヤモンド独特の鋭い輝きがそこなわれてしまいます。
ようするに、ダイヤの大きさと重さは同じではありませんから気をつけてくださいね。ダイヤのプロポーションによって大きさは左右されてしまいます。
不純物を含まず欠損などが少ないほど透き通るような美しさを生みます。
クラリティは、ダイヤモンドの透明度を表します。
10倍の双眼顕微鏡を通してダイヤモンド内の傷や内包物の有無によって判定されています。
傷や不純物がなく透明なものほど価値が高くなります。
ブライダルリングの場合はSIクラス以上のものをお薦めします。
ダイヤモンドは、あくまで天然のものです。長い間、想像を超えるエネルギーを受けて地中で結晶していくまでには、さまざまな不純物が含まれてしまうことはある意味では当然のことです。
フローレスと呼ばれるまったく完璧なダイヤモンドというのもありますが、通常はある程度の不純物が混ざりこんでしまいます。
そのダイヤモンドに含まれる不純物質の量や微少欠点を判定してランキングしたものがクラリティです。
ちょっと肉眼では見分けにくいのですが、ダイヤモンドに付属の鑑定書には各鑑定機関による厳密な検査によるデーターが記載されていますので、参考にされてください。
各ランクごとに、ダイヤモンドの価格は大きく左右されます。肉眼では判断しにくい基準ですので、価格の差を理解するのはちょっと難しい基準ではあります。
あなたは「それほど目立たないものなら気にしない」派? それとも「やっぱり見えないことにもこだわりたい」派ですか? 通常はSIクラス以上であれば十分にダイヤモンドの魅力を引き出すことができます。
不無色透明に近いほど輝きが引き立ちます。
無色透明であればあるほど、希少価値は高まり、それにつれて価格は上昇してゆきます。
ダイヤモンドの頭文字でもあるDカラーが最も無色透明に近く、アルファベット順にZに近づくほど、わずかに黄色みを帯びてゆきます。
原石(奥の石はやや黄みを帯びる)
ダイヤモンド鉱山でとれる原石のほとんどは黄色みを帯びているのものが普通で、無色透明なダイヤモンド原石は非常に希少価値の高いものとなります。
評価の基準はDiamondの頭文字Dカラーから始まりアルファベット順にZに近づくほど、わずかに黄色みを帯びてゆきます。
一般的にブライダルジュエリーには高品質なFカラー以上に人気が集中しています。
国内ではG.I.Aの基準石マスターストーンにもとづいて厳密に比較されながら判定されます。
各ダイヤモンドにはあらかじめ、DカラーとかFカラーといったように表示してありますので、店頭で確認することができます。
とはいえ、普通の人が、例えばEカラーとDカラーとのわずかな色の違いを見分けることはちょっと無理かも知れません。おそらくDカラーとHカラー(4段階)の差であればなんとかわかります。
ダイヤモンドはカットすることによって、透過した光が乱反射することにより、神秘的な輝きが得られます。
形がどれだけ正確に磨かれているかや、研磨の状態によってランキングされています。
通常ご購入なさる時は、カットグレードはVERYGOOD以上がお勧めです。
理想的プロポーション
誰でも一度は耳にしたことのある「ラウンドブリリアントカット」。
その洗練されたダイヤモンドの研磨技術はすでに完成されたもので、ダイヤモンドの魅力を引き出すダイナミックな58面体のカットは人間の生み出したすばらしい高度テクニックの1つと言えます。
カット評価は、カット比率、左右の対象度、研磨状態などをそれぞれに採点し総合的に判断されて行きます。
肉眼で見るダイヤモンドの輝きに一番影響するのは、やはりカットではないでしょうか。
研磨では、なるべく多くのダイヤモンドを市場に供給するために、質の良い原石からより大きなダイヤモンドにカットすることが求められます。質を求めて磨いてゆけば、高価なダイヤモンドはだんだん小さくなります。かといって不純物やプロポーションを無視したままだと質は悪くなり、単価が下がってしまいます。
というわけで市場には、それぞれのダイヤモンド原石にとって研磨職人が最良と考えたカットがあり、さまざまなグレードのダイヤモンドがその魅力を競い合うことになります。