職人によるダイヤモンドレポート(1.0ct/1.5ct)
今回はピアス用に取り寄せた3ピースについてレポートしてみたいと思います。
こちらの2ピースは、ピアス用に準備しているものでグレードも揃えています。1.048ctと1.028ctどちらもHカラーSI2で、カットはverygoodです。目視でのダイヤモンド自体の輝きや透明感は上質で、価格的にもお勧めできるレベルです。
それぞれを詳しく見てみました。まずは1.048ctのダイヤです。
拡大すると内包物の位置がはっきりしますが、このダイヤの場合はダイヤのカット面が複雑な外側の位置に内包物が集中しているため、輝きには影響がなく肉眼では綺麗に見えます。アメリカのGIA基準に準じた鑑定機関の鑑定では、内包物の「量」の判定はしますが「位置」の判定はしませんので、このダイヤのように多少内包物の量があっても位置によってSI2でも上質な輝きが得られます。
一方、1.028ctのダイヤです。
こちらのダイヤも上記のダイヤと同じような評価です。こちらの方が内包物がかたまっていますが、やはり周辺部にあるために輝きにはあまり影響がありません。写真ではカラー調整のためやや黄色く写っていますが、2ピースとも同じようにHカラーで輝きのバランスがとれたダイヤモンドです。
参考のために、1.508ctのダイヤモンドを1ピースだけ取り寄せました。
こちらのダイヤはカラーグレードがEカラーですので、先ほどのHカラー1.048ctのダイヤ(右側)と比較すると、少しカラーが薄く見えます。が、実際にはダイヤモンドの乱反射によってこの差を肉眼見分けることは困難です。とは言え、このダイヤモンドは全体的に白く曇っており(写真では表現できませんが)、原石の質の問題からくる透明感の欠如によって輝きが不足していると言えます。従って、わたくしどもではお勧め致しません。ダイヤの直径は写真の通り大粒ですので、魅力的ではあります。
以上私的な観察ではありますが、取りまとめてみました。
今回はあくまでも価格と大きさと品質のバランスの参考のために輸入元に揃えていただきました。
お客様と相談させていただいて、買い付けるか別のダイヤモンドを探すか決めていきます。