もっと知りたいダイヤモンドVol.3
こんにちは、今回はちょっと長い話になりますがガンバッテ最後まで読んでくださいね!
今回は実際に標本になるダイヤモンドに登場していただきました。どちらも0.302ct Eカラー SI1で左側Aのダイヤのカットグレードはエクセレント。右側Bのカットグレードはグッドです、一見同じように見えます
写真では分かりずらいですが、Aのほうには傷が目立ちませんが、Bのほうには中央やや上にひび割れのようなクリページと呼ばれるひび割れがあります、拡大してみます
左側Aのダイヤのインクルージョン(内包物)の位置です、幸運にもそれが周辺部にあるために、肉眼ではほとんど目立ちません
これに対して右側Bのダイヤには、目立つインクルージョンがひとつだけ、中心部に存在しています。その量はAもBも同じで、鑑定書上はどちらもSI-1と評価されています。ただインクルージョンの位置と種類に違いがあるだけです。
個人差はあると思いますが、高価なダイヤモンドなのに、インクルージョンが目立つ右側Bのダイヤモンドをわざわざ買う人はいません。実は右側のダイヤモンドは安売り専門の宝石店等でよく販売されるダイヤモンド(売残りの原石を大量に買い付けて安く販売する)。本当に宝石のプロフェショナルならば右側のようなダイヤモンドは受け入れられません
さらにもっと気になることがBのダイヤにはあります。次の写真をご覧ください。
Bはガードルと呼ばれる側面部分に厚みを持たせてあります、歩留まり(小さな原石からよりより大きいダイヤを削りだす)を良くするために、理想的なカットをあきらめ、適当にカットされています、するとこうなります
赤いラインの同じ大きさですが、左側Aよりも右側Bのほうがガードル部分が厚く上下に長いため、正面から見るとAよりも少しだけ直径が小さくなります
さらに、右側のダイヤは真円ではありません、几帳面な人なら、普通は真円にカットするのが当たり前と思いますが、もし見かけを気にして真円にカットしていたら0.302ctから0.295ct程度?になり単価も大きさも減り、もったいないということでしょう、実際はダイヤモンドはその大きさ(直径)ではなく、重さで取引されますからこんな現象がおきてしまいます。
ダイヤモンドはこうして並べて比較すれば一目瞭然なのですが、普通は宝石店の中でキラキラと輝く照明のもとでバラバラに見るものなので、なにがなんだかわからなくなります。前回もお話したと思いますが、カットが丁寧にされているダイヤモンドは一級品の証でもあります、そして一級品のダイヤは一流の宝石店にあります(・´_`・)イヤイヤ、自分の店の宣伝じゃありませんのであしからず!